ブログ Blog

歯周病と心筋梗塞・脳梗塞の関係について

2025.03.15

歯科コラム

歯周病が引き起こす心筋梗塞と脳梗塞
歯周病は、お口の中だけの病気ではありません!
最新の研究では、歯周病が心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることが明らかになっています。
ここでは、その仕組みと予防策について詳しく解説します。


歯周病とは?
歯周病は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊 が原因で発生する病気です。
歯磨きが不十分だと歯垢がたまり、その中で 嫌気性菌(酸素を嫌う細菌) が増殖します。
これらの細菌が歯ぐきを攻撃し、炎症を引き起こします。

歯周病が進行すると…

歯ぐきが赤く腫れる
歯を磨くと出血する
口臭が強くなる
歯がぐらつき、最終的には抜けてしまう
しかし、歯周病の影響は お口の中だけではありません。
血管にまで広がり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす 可能性があります。


歯周病と心筋梗塞
① 動脈硬化を引き起こす
歯周病菌が血流に乗って体内に入り込むと、血管の内側に炎症を引き起こします。
その結果、血管内に プラーク(粥状の脂肪性沈着物) が蓄積し、動脈硬化が進行します。
血管のプラークは、脂肪やコレステロールが血管の壁に蓄積してできるもので、血流を妨げる原因となります。
動脈硬化が進むと、血管が狭くなり、血液の流れが悪くなります。

② プラークの破裂と血栓の形成
プラークが破れると、それを修復しようとして 血栓(血の塊)ができます。
この血栓が心臓の冠動脈を詰まらせると、心筋梗塞 を引き起こします。

③ 心筋梗塞のリスク
心筋梗塞とは、心臓の筋肉に血液が届かなくなり、心筋が壊死してしまう病気です。
症状として、激しい胸の痛みや息苦しさ、冷や汗 などが現れ、最悪の場合は命に関わります。


歯周病と脳梗塞
① 脳の血管の詰まり
歯周病菌や炎症性物質が血管内に入り込むと、脳の血管にもプラークがたまりやすくなります。
これが進行すると 脳の血管が詰まり、脳梗塞を引き起こす 可能性があります。

② 心臓や頸動脈から血栓が飛ぶ
歯周病菌の影響で血栓ができると、それが 心臓や頸動脈から血流に乗って脳に運ばれ、細い血管で詰まる ことがあります。
これが 脳梗塞の発症メカニズム の一つです。

③ 脳梗塞のリスク
研究によると、歯周病のある人は、ない人に比べて脳梗塞のリスクが約2.8倍高い と言われています。
脳梗塞を発症すると、半身麻痺・言語障害・意識障害 などの後遺症が残ることも多く、生活の質を大きく低下させます。


心筋梗塞・脳梗塞を防ぐための歯周病対策
歯周病の予防と治療が、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げるカギになります!

① 正しい歯磨き習慣をつける
毎日 歯ブラシ+歯間ブラシやデンタルフロス を使う
歯ぐきのマッサージ を意識しながらブラッシング
電動歯ブラシの活用も効果的
② 定期的に歯科検診を受ける
1~3ヶ月に1回 のペースで歯科医院を受診
歯石と歯垢を徹底除去
③ 生活習慣を整える
禁煙(喫煙は歯周病と動脈硬化を悪化させる)
バランスの良い食事(ビタミン・ミネラルを意識)
適度な運動(血流を改善し、血管の健康を保つ)
ストレス管理(ストレスは炎症を悪化させる要因)


歯周病を予防・治療することは、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐことにつながります!
「たかが歯周病」ではなく、「命に関わる病気のリスクを減らすため」に、お口の健康を守りましょう!

少しでも 「歯ぐきの出血」や「口臭」 が気になる方は、早めに歯科医院を受診してください。
毎日のケアと定期的な歯科検診で、健康な歯と血管を守りましょう!

 

医療法人社団 中野歯科医院

理事長 小笠原 延郎

月別アーカイブ